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「そうなんですか」
久世は特に気にする様子もく、波多をベッドに組み敷いて顔を近づける。
「お前、解っているのか!?」
「はい。波多さんは男の人が好きってだけですよね」
「あぁ。気持ち悪い、だろ?」
「全然。だって、波多さんは波多さんでしょう?」
久世は、何故そんな事を言うのかと小首を傾げた。
「さっきの続きなんですが、触ってくれないのなら、俺が波多さんを舐めて良いですか?」
と、シャツの中へ顔を突っ込んで肌を舐められる。
「はっ、なにを」
「波多さん、はたさんっ」
腹を舐め、舌先で乳首をチロチロと舐められる。
「ひゃっ、久世、よせ」
「んっ、きもちいい?」
「何が気持ちいい、だよ、ん、やだ」
「乳首、かたくなってきましたね、こりこりしてます」
もう片方を指で摘まみ刺激されて、ぷつっと何かがきれた。
「くぜぇ、いい加減にしろおぉぉっ!!」
波多の握り拳が振り下ろされて、久世がシャツの中で飛び跳ねる。
「痛あぁぁ」
涙目を浮かべ、何をするんだというような表情を浮かべる久世に。
「このボケが。盛りやがって」
と、さらにデコピンをくらわせてやる。
「うっ、なんで、ですか! 俺はただ波多さんの事を舐めたいだけなのに」
だから、どうしてそうなるのだ。
「ふざけんな!! 俺は犬用のおやつじゃない。舐めても不味いだけだ」
「ふざけてません。それに波多さんは甘くて良い味しますから!」
そういうとシャツを捲り、唾液で濡れた乳首へと再び舌を這わそうとする。
「だから、舐めんじゃねぇって」
頬を両手で挟み込んで、せまる久世を引き離す。
「なら噛んでもイイですか?」
「噛むのもダメ。ていうか帰れ!」
「……先にさわったの、波多さんなのに」
ボソッとそうつっこまれて、波多は枕を顔面に向けて投げた。
「ぶふっ」
「とにかく、この部屋から出ていけ」
蹴とばして出て行けと手を払うと、投げた枕を持ってしぶしぶと部屋を出て行った。
「こら、枕は返せって、くそ!!」
顔が熱い。
久世に舐められた箇所が疼いてしまう。
「なんなんだよ」
『全然。だって、波多さんは波多さんでしょう?』
その久世の言葉が耳から離れない。その言葉がすごく嬉しかった。
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