年下ワンコとご主人様

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◇…◆…◇  波多の枕に顔を埋めれば、彼の匂いがして落ち着く。 「波多さん、ゲイだったんだな……」  別にゲイだからといって関係なかった。それよりか寧ろ、良かったと思う。 「男の人がすきなら、俺の事、もっと可愛がってくれるかな」  もっと波多の事を舐めたいし、自分にも触ってほしい。 「今度は別の場所も舐めてイイかな」  彼の下半身のモノから流れる蜜はどんな味がするのだろう。  もっと舐めたい、もっと欲しい。そんな欲が久世の身体を熱くさせた。  結局、うつぶせのまま寝てしまい、朝、後頭部を叩かれて目が覚める。 「久世、飯。席はリビング側の方な」  山盛りの白米に焼き魚、そしてお味噌汁。久世の方にはさらに卵焼きとほうれんそうの胡麻和えもついていた。 「わぁ、おいしそう」  テーブルの上の食事の匂いをかぎつつ、早く食べたいなと、まるで犬が餌を前にマテをするように波多をじっと見る。 「て、お前、服くらい着ろよな!」  パンツ一枚でキッチンへ来てしまった事を怒られる。 「あ、すぐに着てきます」  綺麗に折りたたまれたズボンとシャツ。上着はハンガーに吊るしてあった。 「波多さん、ありがとうございます」 「脱ぎ散らかすとか、ふざけんなよ。俺はお前のオカンじゃねぇんだから」  シャツとズボンを身に着け、言われた方の席へと座る。  朝食はパンを焼いて食べるくらいなので、旅館の朝食で出てくるようなメニューに感動する。 「わざわざ作ってくれたんですか?」 「は? お前の為になんてつくらねぇよ」  とは言いつつも、頬が微かに赤く染まっているのは気のせいだろうか。  折角の休みだというのに波多はつれない。  もう少し一緒にいたかったのに、朝食を終えるとすぐに「帰れ」と言われ家を追い出されそうになる。  それでも帰りたくないと駄々をこね、なんとか昼近くまで一緒にいたが、上着やら鞄やらと一緒に外へと放り出されてしまった。  暫くは玄関のドアに張り付いて、中の波多へと声を掛け続ければ、 「うるさい。近所迷惑」  とドアが開き、そしてタクシーを呼んだと外を指さす。 「波多さぁん」 「ほら、早く外に行けよ」  甘えても中には入れて貰えず、背中を押されてドアが閉まる。  悲しすぎる。  久世は肩を落として歩き出した。
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