年下ワンコとご主人様

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 そこにはコンビニの袋を手に、先輩の三木本蓮(みきもとれん)が立っており、元々目つきの悪い男なのだが、普段の表情には慣れたが、それにプラスして険しい表情を浮かべるものだからビビってしまった。 「三木本君、そんなに怖い顔をしないの。ワンコちゃんが驚いちゃったじゃない」 「はぁ? 俺は生まれつきこんな顔です。ていうか、課長、飯食ったんですか!」  三木本はいつも八潮の食事の事を心配している。よくこのセリフを聞くなと二人を眺める。 「時間があれば食べるから」  ね、と、言うけれど、三木本は後を振り返り、 「おい、波多、まて! お前ンちの犬、どうにかしろよな」  と波多を呼ぶ。 「はぁ? 俺は一服したいんだよ」  ブツブツと文句を垂れつつ、ミーティングルームを覗き込む。 「あらら、折角のお昼寝タイムだったのにねぇ。残念だね、ワンコちゃん」  頭を撫でる八潮に、波多も三木本同様に険しい顔つきとなる。 「久世、てめぇ、羨まし……、じゃなくて、八潮課長に迷惑かけんな」  心の声を漏らしつつ、腕を掴まれて八潮から引き離されてしまう。 「酷いなぁ、波多君。僕の癒しの時間だったのに」  しょうがないねと、立ち上がり。 「僕はご飯を食べてくるから、波多君、後は二人でお話なさいね。三木本君、行こうか」 「はい」  ぽんと三木本の背中を叩きミーティングルームから出ていってしまった。
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