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寝不足で具合が悪いのは本当の話だが
、今の麗子にとって屋敷の者は皆疑わざる終えない……牧田でさえも。
牧田の足音が自室から遠退いて行くと麗子はベッドの傍(そば)にある小テーブル上に飾られているお腹が大きく膨らんた母親が映っている写真を眺め、一人呟く。
「……お母様、お母様は家宝の事はご存知だったのですか?
家宝が無くなり、何だか嫌な予感がするのです……。
昔からよく、この予感は当たるから怖くて堪らないわ……。
どうか……どうか、お母様見守っていてくださいね」
亡き母親の写真に語りかけ終えると、昨夜から一睡もしてなかった為、急に睡魔が襲ってきた麗子はそのままベッドの中で深い眠りについた。
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目を覚ますと、小テーブルの上に置き手紙があるのに気がついた麗子は書かれてある手紙を読んだ。
「御嬢様、お声を御掛けしても御返事がございませんでしたので、御嬢様の御様子が気になり、失礼ながら勝手に入らせていただきました。
お許しを。
どうやら、ぐっすりと眠られていたようでしたので牧田は安堵致しました。
起きられましたらお声掛けくださいませ。
……牧田」
牧田からだった。
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