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古株の牧田に一喝された女中達は渋々
と各自割り当てられている仕事場へ戻って行った。
女中達の中では牧田に逆らえる者は誰一人としていなかった。
しかし、女中達が頼れる存在である一方で牧田の厳しい態度に不満を感じ、陰口を叩く者も少なからずいたようだ。
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麗子はまだ消えた家宝の手掛かりを追
っていた。
家宝行方不明事件が起きてからというもの、何か見つけ出すヒントがあるかも知れないと、参考までにミステリー小説を夜な夜な読んでいた麗子。
読み進めるうちに、不可解な事件の裏には不可解な死が起きる事が解った。
死……と聞いて、一番に思い浮かぶのは麗子の母親、新沼 三千子。
今から十四年前に、麗子を産んで直ぐに病死したと父親の一男からは聞かされていた。
でも証拠はなかった。
死を偽造?まさか……。
けれど、お父様が家宝を怖れていたのとは辻褄が合う………。
そして、もう一つ解った事とは……
消えた物はそう遠くには行かない、意外と近くにある可能性が高い。
……という事はやはり、屋敷内の何処かに!?
ミステリー小説でヒントを得た麗子がまず調べに向かった先は、一階の西側奥にある書斎部屋だった。
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