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別荘がある山の上からは広大な青い海が見渡せる。
麗子は別荘で行われている式典という名目に託(かこ)つけたお遊びパーティーには参加せず、三千子の墓の前に佇んでいた。
「麗子」
突然背後から名前を呼ばれて、麗子は後ろを振り向いた。
「……マリン」
ウェーブの掛かった美しい金色の長い髪にすっと鼻が高い端正な顔立ちをした麗子の従姉妹……新沼 マリンはまるで西洋人形が歩いて話しをしているかのような出で立ちだ。
「ここに居たのね。探したのよ……
それにしても華やかなお墓よね」
マリンの父親は、麗子の父親……一男の弟にあたる新沼 次男(にいぬま つぐお)。
母親はアメリカ人であったが、麗子の母親同様既に他界していた。
同い年の従姉妹というだけで気が合う二人だったが、母親を亡くしているという悲しき境遇がより二人の絆を結びつけていた。
見た目は違うが双子のように、時にはライバルのように競いあって育った麗子とマリン。
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