プロローグ

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   あれは私が十(とお)と四つの時。    未だ女学校に通ってる頃だっただろうか。  その当時……私の家系、新沼(にいぬま)家には代々受け継がれた家宝が存在していた。  希少価値が高いブルートパーズの宝石が嵌(は)め込まれてある首飾り。  その美しくも深く澄んだ姿形は、まるで視る者全てを飲み込むような輝きを放っていた。  しかし、美しさの中には恐ろしさをも併せ持つ只ならぬ力を感じ、人よりも勘の優れた我が一族はこの家宝を別の名で呼ぶようになった。  Eye of the sea……     《海の眼》と…………。
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