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麗子は箱を手に取り、上箱を開けてみたが、やはり箱の中は空だった。
しかし、箱の中を見て気づいた点が一つだけあった。
消えた家宝、“海の眼”は首飾りに違いないとーーーー。
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「……そうだったのね。そんな事件が……。
でも、どうして、箱の中身が首飾りだって解ったのよ?」
一通り麗子の話を聞いたマリンが麗子に疑問を投げかけた。
「ええ、それはね……簡単だったわ。
箱の大きさも手のひらサイズだったというもあるけれど、箱の中の凸凹のクッションの施しが貴金属などを入れておく時に使う物だからよ。
首飾りだと思うのは以前、首飾りを贈り物で戴いた事があってその箱と類似していたからよ。
でも、問題は首飾りの行方なのよ。まだ手掛かりが一つも無いのよね」
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