2人が本棚に入れています
本棚に追加
序章~裏生徒会~
「ぜぇっ…………はぁっ!!」
夜の裏路地。
複数の男達が息を切らしながらその細い道を駆け走っていた。
「冗談じゃねぇよっ!!数の束で勝てると思ってたのにっ!!化けもんじゃねぇか!!」
「おい『欧美学園』(おうみがくえん)のクソガキッッ!!いくら高ぇ金で俺達を雇うにしても限度がある!!!」
隣で男達と並行して走っている制服を着た少年は今にも泣きそうになっていた。
「知らなかったんだっ!!まさかここまで化け物染みた奴だったなんて、チクショウ!!!」
「どちらにせよ、『あのガキ』は追って来てねぇ!!」
一人の男が後ろを振り返り、確認を伝える様に告げた。
「へへへっ!!やっと逃げ切れる_______________」
そう…………。
誰もが思っていた時だった。
「誰から?どこに??逃げ切れるって…………??」
どこからか突如、少年の声が耳に入る。
「ひいっ!!」
最初に怯える様に悲鳴をあげたのは、この不良グループの男達を少年だった。
瞬間、男達の退路を経つように上から何者かが地面に着地していた。
「おいおいおいおい、勘弁してくれよ。さきに喧嘩を吹っ掛けてきたのはお前達なんだぜ?俺様の実力を知った途端に逃げるたぁ、ちょいと失礼なんじゃねぇの?」
ボサボサの髪、中学生とは思えない小身長。それ故にMサイズの小さな制服だとしてもサイズが合わない為、ダボダボだった。
「こんのクソガキっ!!なめやが…………っ!!」
一人の男が言い掛けた時、いつの間にかボサボサ髪の小さな中学生は暴言を吐いた男の顎を飛び付きながら掴み、そのまま振るい投げた!
「ぐぇ…………っ!!」
そのまま壁へと叩きつけられ、ずるる…………っ!!と背から地面へと倒れる。
「うそ…………だろ…………っ!!何であんなガキがたった一本の腕で巨漢を振るい投げる事ができるんだ!!さっきのビルからの着地といい、なんなんだよコイツは!!!」
「おいおいおいおい。人を化け物みたいに言うんじゃねぇよ」
首をコキコキと鳴らしながら、舌なめずりをするボサボサの髪の少年。
「ひっ!!」
男達は小さくまた悲鳴をあげ、ついには戦意喪失と共に逃げるのを諦めたのか、膝からガックリと落とし地面につける
「あらら?立ち上がる気力も失っちまったか、かわいそうに」
「ッ…………!!あっあんたが悪いんだろう!!」
そう荒げた声を出したのは男達を雇った少年。
最初のコメントを投稿しよう!