序章~裏生徒会~

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そして、五分が経過した。 裏路地から響いた複数の喧騒の声はなくなった。 複数と倒れている男達の中心に、ボサボサ髪の小さな少年が立っていた。 「ったく…………。こんなクソみてぇな真似をしてたかが部活の存続の為だと?反吐が出るぜ」 その時、カツンと小さな足音が鳴る。 ボサボサ髪の少年は振り向かない。 「また…………、この様な勝手な真似を」 少女の声だった。 「おいおいおいおい。この状況についてはお前の勝手な誤解にすぎねぇ。こいつ達は勝手に襲って来ただけだぜ。俺はそれに対して正当防衛をしただけだ」 「だからと言ってやり過ぎです『生徒会長』…………。あなたの行いは全て、『副生徒会長』である私に責任がくるのですから。しかもまたうちの学校ではない他の人間と揉めたりして。どうするのですか?」 「何の為に俺のバックについてやがるんだお前さんは?」 ニヤリと三日月の様に口を歪ませる、とある学校の生徒会長。 そう小さく告げながら、副生徒会長である少女を見据える。 その少女は、見た目が幼い少年とは対照的に、中学生らしい、しかも平均的に身長が高い。 長い黒髪、それをポニーテールで束ねているこの少女…………。 名は"草壁香央理"(くさかべかおり)。 彼女は、このコード・エリアという街の最強の能力者、『無冠の七将』(むかんのななしょう)の一人。 そして、『エリア:第3区』にあるとある中等部の副生徒会長でもある。 そんな称号を持つ少女は、自分よりも一回り小さな、これでも年長者であるボサボサ髪の少年を見据える。 そして少年の口から出た勝手な言葉に草壁は思わず小さな溜め息を吐く。 「にしてもこいつ達はてんで雑魚中の雑魚だったよ。戦闘のせの字も出なかったぜ。こんな奴達じゃ、俺が考案した『ゲーム』にも参加する資格はねぇな」 草壁「御言葉ですが、あれは貴方が独断で決めた事です。まだ全員が公認したわけではありません」 「そんな堅苦しい事を言うなよ。中々いい発想だとは思ったんだがなぁ」 草壁「それよりも、本日の処理を今日までに終わらせなければなりません」 「へいへいわぁーってるよ。これも『裏生徒会』の責務だろ?生徒会に出席していない分ちゃあんと仕事はするよ」 草壁「結構です」
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