第一章~中間テスト~

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2. 一方、『欧美小等学校』(おうみしょうとうがっこう)。 その学校の五年二組。 そこのクラスに在籍している一人の少年もまた、杏梨と同じ様に頭を抱えながら配られたとある用紙に目を傾けていた。 それはテスト用紙。 『算数』の小テストである。 白い薄着のパーカー服を着ている少年、"龍馬"(りゅうま)は算数の小テストに歯をギリギリと軋ませ問題文に取り掛かっていた。 だが手詰まり状態…………。 つまり、解けていないという事だ。 小さな溜め息を溢し、龍馬は黒板の上に掛けてある時計を見る。算数の小テストが始まってから二十分が経過していた。 本当のテストではないという事だから制限時間(タイムリミット)も刻々と迫ってきていた。 龍馬は迫って来ているタイムリミットに焦る様に並べられた問題を一通りまた見るが、解けない。 ________________本当に、マジで解りましぇん…………。 問題の文章を見るだけで目がクルクルと回り始める。 そんな龍馬の様子を心配そうに見ていたのは長い金髪の髪を白いリボンで束ねた少年"九鳳院アヤト"(くほういんあやと)。 少年は開始十分前に算数の小テストを全問終わらせていて暇を持て余していた。 終了時間まで後十分ぐらい。 アヤト(これはまた、残念な結果になりそうだね) 杏梨の親友のとある少女と同じく、この少年もまた心配そうに心の中で告げるのであった。
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