第一章~中間テスト~

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恥ずかしそうにそう告げてきたのは、このクラス、いや学年でも可愛いと評判をうけている少女、"田島二葉"(たじまふたば)だった。 龍馬「おっおう。俺は別に構わねぇよ。そんな事よりこのプリンもらっていいのかっ!!?」 二葉「う、うん」 小さくコクりと頷いた。 最近になって龍馬はアヤトだけではなく、二葉とも親しい間柄になった。誰とも関わりを持たなかった彼女が、突然と転入してきた龍馬に話し掛けるようになった。 それに対し、クラスの子達は驚きを隠せない様に、また唖然と龍馬のいる机に目を傾けていた。 龍馬(うぅ…………。視線が何かいてぇ) それを気にしていない二葉は自分の昼食がはいっているおぼんを龍馬に少しどかせてもらいながら机に置く。 そして椅子を持ってきて、ようやく昼食タイムに入る。 二人は無言。 龍馬はモクモクと給食を食べ続けるが、 龍馬(う…………う~ん。何て言うか、食べづれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!) 一緒に昼食を摂っている少女もまた黙ったまま昼食を摂っていた。この状況は今日に始まったわけではない。 『グランヴィアホテルの騒動』。 そのホテルにてとある大騒動が起きた。 田島二葉は兄を助ける為に、危険を顧みず、その騒動の中に踏み込んだ。 龍馬もまたそれに放っておけず、彼女と一緒に兄を救出する事になった。 とにかくこの一件は安全に無事に解決した。謎の多い事件だったが、無事に兄を助ける事もできた。 現在、田島二葉の兄、"田島一三"(たじまかずみ)は病院で療養中となっている。 しかも偶然にも田島一三は杏梨が通っている中学校の学生。中間テストという期間に入っているが、本人の体では致し方ないという事で、異例の措置として今回のテストはまた学校に復帰した後に個人的に行わせるという事で今回の案件は終わった。 勿論、田島一三が闇のグループと関わっているという事は、学校側には伏せている。 色々とまた、更なる混乱が招くという確率もあるから龍馬の方からそれを伏せた。勿論それは彼が所属する機関の力を借りてできた事である。 その事件に一緒に関わっていたこの街の治安部隊の一人からも、協力を仰ぎ何とか無事に田島一三という少年の件は無事に解決ができた。 話の判る治安部隊でよかったと龍馬はしみじみ思う。 それにあの不良少年にはちょっとした借りもあった。 そんなこんなで、今の現状に至る。
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