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「次は水族館前、水族館前です」
アナウンスが聞こえ目を開けると、そこはいつも通りの日常があった。
乗客もいる。電車は線路を走る。
ちょっと期待していただけに、僕は一気にがっくりと残念な気持ちになった。
ドアが開き、電車から僕と一緒に多くの人が降りた。
きっとみんな、夜の水族館へ行くのだろうな。
……ペンギンは、いるだろうか。僕が見た、星ペンギンのかつての同志。飛ぶことをあきらめてしまった、ペンギンたちは。
そんなことを思いながら、水族館の中へ足を踏み入れる。
チケットを買うと、番号札のようなものを首から下げるように言われた。
どうやら、グループごとにツアーをしてくれるらしい。
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