サクラソウ

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国語の授業中、 佐川君は始めから、最後まで、寝ていた。 先生はもはや諦めたような顔で、 佐川君を見ていた。 もちろん、寝ていたのは、国語だけではなかった。 1限から4限まで、ぶっとうしで寝ていた。 どの先生ももう諦めているのか、 何も言わない。 そのおかげで、私は教科書見やすかったけど。 そして、昼休み、 私は莉奈達3人に一緒にお弁当食べようと言われたので、一緒に食べることにした。 今日は晴れていたので、屋上へ移動して、弁当を食べ始める。 今日は少し涼しげな風も吹いており、 日もいい感じに差しているので、ポカポカしてて気持ちよい。 「そう言えば、花恋の隣って佐川君でしょ? 佐川君カッコ良いよねーー」 「胡桃は本当にミーハーね」 「だってさ、 カッコ良いし、運動神経もいいしさ、頭もいいし、 もう完璧じゃん。 ミラクル男子だよ!」 ミラクル男子って……。 私はその言葉に小さく笑う。 でも佐川君成績いいんだ。 あんなに、授業中寝てるのに、以外だな。 『授業中、寝てるのに、そんなに成績いいの?』 私は思ったことを紙に書いて見せた。 「すごいいいよ!この前の中間試験なんて、 全教科学年1位だったんだから」
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