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転校当日の朝、
支度を済ませ、家を出ようとすると、
おばあちゃんが何かの花を育てているのが、目に付いた。
その植物はつるが丈夫そうで、大きくて可愛らしい紫の花をつけていた。
すると、私の視線に気付いたのか、
おばあちゃんは花の説明をし始めた。
「この花はね、クレマチスって言うんだよ。
ちなみに開花期間は5月から10月だから、かなり長い間咲いてるんだよ」
へぇーー。
聞いたことがない花の名前だ。
それにしても、可愛らしい花だなぁ。
「あ、引き止めて悪かったねぇ。
気をつけて行くんだよ。」
私は頷き、おばあちゃんに手を振りながら、家を出た。
家を出て、学校へ向かい始めると、不安にかられてきた。
でも私は自分に言い聞かせる。
大丈夫、大丈夫……。
椿花高等学校までは電車で、5駅だ。
新しい学校での事を考えていると、すぐに
椿花高等学校がある椿駅に着いた。
椿花高等学校まで歩きながら、辺りを見渡すと、
当たり前だけど、椿花高等学校の制服を着た生徒も周りを歩いてる。
私はなるべく目を合わさないように、俯いて学校に登校した。
楽しい学校生活に憧れを抱きながら。
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