第2章

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飲み会もだいぶ終盤になり、親方は酔いつぶれて寝てしまった。 いつも寝てしまうらしい。 そして、親方の一番弟子の杉本さんがいつも親方を送り届けるのが恒例のようだ。 『じゃおひらきにするか。』 杉本さんの一声で飲み会は終了した。 私も帰ろうと下駄箱に向かったが、やっぱり足元がおぼつかない。 「おい、景子大丈夫か?靴履けてねぇじゃん。」 と、笑い飛ばしながら絡んできたのは同じ歳の慎也。 慎也は同い歳ということもあってか、職場でも私をバカにしながらよく絡んでくる。 「俺が履かせてやろーか?!」 と私の靴を持って、履こうとしている私の邪魔をした。 『ちょっと!慎也。やめてよ。返して。』 「こんなめんどくせー靴履いてくるから履けねーんだよ。」 『いいでしょ。どーでもいいけど、靴返して。帰れないー。』 「おい。慎也。いい加減にしろよ。返してやれ。」 そう一括したのは哲也さん。 慎也は哲也さんには逆らえない。 哲也さんは元暴走族の頭だったらしく、慎也は同じグループにいた後輩。 「景子。どーやって帰るんだ?」 『私ですか?歩いて帰りますよー。そんな遠くないし』 「なら、送ってく。」 『えー?!悪いからいいですよー。』 「俺も同じ方向だから」 『あっそーなんですか?じゃお願いします。』 哲也さんと2人で帰ることになったものの、やっぱり酔っ払いの私はまっすぐ歩けないらしく、哲也さんに抱えられながら帰宅。 『哲也さん迷惑かけてすみません』 「別に。迷惑だとは思ってねぇよ。」 『やっぱ哲也さんは優男ですね』 「俺だって誰にでも優しいわけじゃねーし。」 『えっそーなんですか?!』 お酒のせいなのか、私はとてもドキドキしていた。 さっきから繋いでくれてる手からこのドキドキが伝わってしまうんではないかと思うくらい、哲也さんの体温を感じ、心に響く低音ボイスを耳元で感じて、心の中は哲也さんでいっぱいだった。
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