第九章 紫斑2

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 五羅の攻撃を躱すと、後ろに逃げる。 逃げた先には、既に五羅が存在している。 糸を使い、空中に逃れ、そこから、銃を発射する。 銃弾は、五羅の前で握り潰され、五羅が後ろに回り込んできた。  五羅は本当に、強いのだ。 特に一体一では、勝ち目がない。相討ちに持っていけるのか。  空中で態勢を変えて、火の屋の技を出しかけた。 「大和、待った。俺達は負けた。だから、奪いに行く。 それまで、待っていて」  時季が起き上がっていた。 響紀も立ち上がって、首を垂れた。 「俺は負けていないよ。 俺は、時季と響紀のためだったら、絶対に五羅に勝つと誓った」  時季が首を振っていた。
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