第十章 光彩陸離

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「俺も行きます。この三人では不安で」  左雨が、名乗りをあげてくる。 左雨がいると、寄り道や買い物ができない。 「いや、大人しく帰ってきますから。 左雨は来なくても大丈夫です」  左雨は首を振る。 「そう言って、すんなり帰った試はないでしょう」  その通りなので、反論もできない。  左雨の横に心吾も待機していたが、 心吾は修行もしているので、連れ歩くわけにはいかない。 「心吾は、伊万里の許可をとらないと、来られないからな」  念を押しておく。  でも、心吾が一緒に行こうとするので、手で×を作って止めた。 「俺、伊万里級の亜空間使いが欲しいのよ。 心吾、期待しているから、修行して」  本音であった。 心吾が、伊万里級になれば、 残してしまった仲間を救える可能性が出る。
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