第十章 光彩陸離

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 姶良は、コクピットの補助席で、小さな模型を組み立てていた。 姶良は手先が器用で、この模型も本物のように動く。 「ないよね。 孝太郎の家は、今の鬼同丸の近くだったけど、子供の姿は見た事がないよ」  やはり、そうだ。 孝太郎の妻子は、どこに住んでいたのだろう。  敵となってしまったが、 孝太郎は優しくて、いつも丁寧に亜空間の使い方を教えてくれた。 弟子は取っていなかったが、本当に凄い人であった。  あのまま狂わないでいてくれたのならば、鬼城の頭領であったかもしれない。  コクピットで、インスタントのラーメンを作って食べていると、 姶良も横で食べていた。
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