第十章 光彩陸離

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 御卜が船に乗せてくれたのだが、トーヤ並みに早かった。 「凄いね……」  船を自在に操る御卜は、日に焼けていて、健康的に見えた。 海の男という雰囲気は出たが、とても色気が出た。 艶やかな膚に、艶やかな髪をしていた。 男という、艶が出たのかもしれない。 「ここが、この付近の、浮島の住人たちの墓場です」  目印は何もないが、ここなのであろう。 俺は船から飛び込み、海に潜ってみた。 岩場の海底のあちこちに、黒い液体が固まっていた。 この液体、岩のようなものが好きなのかもしれない。  あちこちに飛び散っていたので、 取り込めるだけ、岩場ごと取り込み、休憩して又取り込んでみた。
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