第十章 光彩陸離

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 魚を食べる前に、数か所の墓を巡ってみた。 この星の海面が、少し下がったかもしれないというほど、 海を取り込んでみた。 これならば、鬼城の海を二十回入れ替えても、 余るほどの量であった。  しかも、魚の大群が泳ぐ様子を見て、 つい、魚の大群ごと海も亜空間に入れてしまった。 「もしかして、お腹がすいているのですね。一二三に連絡します」  狼煙をあげていた。 「この星で、海と毎日向き合って。 トーヤを失って絶望して、又、海を見ていましたよ。 トーヤは本当に優しかった。 そして、最後に、俺に海を教えてくれた」  この御卜の船の操縦も見事であった。 しかも、漕ぐスピードが速い。 波の見極めも確かで、トーヤを見ているようであった。
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