第十章 光彩陸離

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「銀狐の技術が、ここにきて、やっと理解できましたよ。 水だけは、使えるようになりました」  御卜が下を指さす。 海の中を見てみると、海流が船を乗せて走っていた。 「いい技だ……」  御卜が、一人前になっていた。 自信に満ちた横顔は、一人で切り抜けてきた実績と覚悟がある。 「ここで一人になってみてやっと、大和様の孤独を知りましたよ。 その寂しげな笑顔や表情は、孤独のせいですかね」  いや、これは生まれつきであった。 どんなに、楽しくても、寂しそうと言われている。  海ばかり見ていると、スピードが分からないが、ソニアが見えてきた。 ソニアの傍に、浮島もある。
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