第十章 光彩陸離

28/29
前へ
/340ページ
次へ
 一瞬でも永遠になれたのならば、 その人生はキラキラと降り注ぐ雨のようだ。 ずっと掴もうと足掻くより、 キラキラを見つめるだけのほうがいい。  俺の結婚生活も、短かった。でも、今でも支えになっている。  御卜は、いい男になったと思う。 もう口説きはしないが、すごく惹かれる。 俺にとって、御卜が頼れる仲間になったと認める。 「俺には、大和様が空の星のように遠かった。 でも、今は、俺の頭領です」  船が浮島に着いた。 浜に降りると、魚の焼く匂いが充満していた。 つられて、腹が鳴る。 「なあ、砂は大量にあるから。どこかで、魚と交換してくれないかな」  ここの魚は本当においしい。 でも、さっくり無視されていた。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加