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彼と彼女の転換点
新生活の始まりに、運だめしとばかりに引いたおみくじ。
そこに書かれていたのは出会いが降ってくるという一文だった。
よくある言い回しだったから、その時は特に気にすることもなかったのだけれど。
今考えれば、それは僕の未来を的確に暗示していたのだ。
出会いは突然に、だなんて言うけれど、僕と彼女とのそれは本当に突然で。
なんというか、そうーー文字通り、その邂逅は空から降ってきたのだ。
本当に、比喩とかではなく、彼女が上から“降って”きた。
もうそれは、僕の真上にズドンと。
泣きそうな顔で謝る彼女と、その下で目を回す僕。
そんな突拍子もない出会いから、この昔話は始まる。
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