想いを置いて

5/10
前へ
/21ページ
次へ
しかし、探利さりげなく机の中に視線を送った。 その瞬間、私は自分の席にばっと逃げ、顔を伏せた。 ・・・げ、限界・・・。 もしここで「何これ?」とでも言われてしまえば・・・答えられなくなってしまう。 そしてそのまま10秒程。 「・・・奈津」 「っ・・・な、何?」 「ぷっ」 顔を伏せている目の前から声が聞こえ、反射的に顔を上げてしまう。 その様子を見ていたかんちゃんにまた笑われた。 助けてよ・・・。 「・・・その、さっきの話しだけど・・・机の中、本当にに何もしてないか?」 「へ・・・?」 ・・・質問されたのは私が予想していたのとは少し違った。 これは・・・どういう意味かな。 ・・・も、もしかして、もう中身見られた? その上で、私かを確認しに来たの? ・・・ど、どうしよう。何て答えよう。 「・・・してないよ?何か置いてあった?」 ・・・考えた末、出てきたのは照れ隠しの否定。 もし読んでるなら、私だってばれてるはずなのに。 そして、彼は・・・。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加