想いを置いて

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「・・・あ・・・探利。ちょっといい?」 「ん?・・・あぁ、悪い、先行ってて」 部活に行こうとしてた探利を呼び止める。 彼はそれに応じてくれ、私の机の横でカバンを床に下ろした。 「・・・部活、急いでる?」 「んー、試合近いからな。できるだけ長く練習したいってのはある」 最近彼がそわそわしているのを見ているので、それは何となく分かってた。 探利は来年キャプテンか副キャプテンになるだろうからなぁ。 「あー・・・じゃあまた今度でいいや」 「・・・お前、最近様子変だぞ?悩み事か?」 ドキッとする。 ・・・私の様子が変な事、ばれてたんだ。 恥ずかしいなぁ・・・。 「えっと・・・悩み事っていうか・・・それを聞きたかったんだよね」 「ん?・・・まぁ、俺で聞けるなら聞くよ」 その優しい言葉に、また心が惹かれる。 ・・・いい返事が欲しい。 その為に、まずあの手紙を読んでくれたか確認しなきゃ・・・。 「じゃあ・・・あの、二週間前の事覚えてる?びっくり箱がどうとか」 「え?ぁ・・・あぁ。覚えてるよ」 ・・・私の質問に、彼は一瞬動揺した。 これは、何かしらを知ってるはず。 ・・・先延ばしにしてもだめだ。 今日は・・・今日だけ、勇気をふりしぼろう。 ・・・とは思いつつ、彼の目は見れずに視線だけは下げる。 「・・・あ、あの時・・・実は、私机の中に・・・あるものを入れたんだよね・・・」 ・・・結局、自分で告白するような感じになってしまった。 まぁ、きっかけとしては手紙を書いた意味があったかな。
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