想いを置いて

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「それ、今どうなったかなって・・・探利が持ってるかなって・・・その、返事を「ち、ちょっと待てよ」 モジモジと話してしまう私。 勇気を振り絞って紡いでいた言葉は、探利に止められてしまった。 「・・・な、何?」 ゆっくりと視線をあげて、彼の表情を伺う。 もしかしたら顔が赤くなってるかも・・・。 なんて期待は、裏切られてしまう。 「・・・奈津の入れたものって何だ?・・・俺、持ってないぞ・・・?」 彼の表情は・・・困惑。 ・・・え・・・? 「え?だ、だって確かに・・・」 「いや・・・あの日は・・・俺の物意外何も無かったと思うけど・・・」 嘘・・・。 でも、確かにあの時入れ・・・。 ・・・あれ、入れたっけ? 手に持ってなかったのは覚えてるけど・・・入れたって覚えも無い。 彼の表情を見るに、照れ隠しとか冗談って感じじゃなさそう・・・? 「・・・え、じゃあどこに・・・」 「・・・もしかして、それを俺が持ってると思ってたのか?それで様子が変だったのか」 ・・・元々の意味は若干違うけど、大体あっていたので頷く。 ・・・さ、最悪だ・・・。 あの手紙・・・無くした?誰かに読まれたりとか・・・。
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