想いを置いて

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「・・・え、えーと・・・探利、部活行っていいよ・・・」 「え、でもそれ・・・大事なものなんじゃないのか?探すぞ?」 探利は私の様子を見て大事な物だって判断したんだろう。 私は笑って首を横に振る。 「あはは。探利を驚かせようとしただけだから大丈夫だよ。・・・ほら、行ってよ未来のキャプテン!」 「わ、わかったから押すなよ・・・」 疑われる前に、探利の背中を押して教室から出す。 観念した探利はこちらを気にしながらも廊下を走って行った。 「・・・わああ!どうしよ!」 誰も居ない教室で1人で騒ぐ。 思った以上に響いた自分の声に、恥ずかしくなって急に落ち着いた。 ・・・何してるんだろう私。 って、それよりも・・・。 「一体どこいったんだろう・・・。あんなの誰かに読まれたら・・・笑いものにされる・・・」 クラスのイジワルな子にでも拾われたらと思うとぞっとするし、男子に拾われたら被害を被るのは探利だ。 でも幸い、まだそんな話題は耳にしない。 ってことは誰にも拾われてないんだと思う。 かんちゃんは先帰っちゃったけど・・・。 「・・・探そう。どっかにあるはず」 私は自分の制服のポッケから始め、色んな所を探すことにした。
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