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「・・・探利・・・何で隠してたの・・・。中身も呼んだんでしょきっと」
・・・段々と怒りは収まってきた。
今思えば、ただ熱が上がってただけだ。
元々探利に渡すはずだったもの。
それなのに、何で私は奪い返したんだろう。
これでまた、渡しづらくなってしまった。
・・・もう、これ捨てよう・・・。
「ま、待てよ。読んだってなんだよ。そもそも・・・」
探利の話も聞かずに私は開き直って、投げ捨てる先の校庭を眺める。
封筒ごと空中で折りたたみ、紙飛行機を作ろうとする。
「・・・それ、俺のなんだけど」
「・・・は・・・?」
・・・今度は私が驚いた番。
意味がわからなかった。
中身を読んだから、もう自分のものだって?
それは図々しいよ。隠してたくせに。
「・・・知らない。私が書いたんだから私のものだよ!」
「い、いや、俺が書いたんだって。てかお前・・・さっきから何言ってんだよ・・・」
・・・頭にきた。
自分の非を認めない探利は、混乱しているそぶり。
そんなに言うなら・・・。自分の目で見ればいいんだ!
「・・・じゃあ、見てよ・・・・・・ほら!私の字じゃん!」
私は、折りかけた封筒を破れそうなくらい乱暴に開け、自分の字であることを確認してから探利につきつけた。
探利はその文面をじっと見る。
そして・・・顔を赤くして動揺した。
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