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「・・・こ、これ・・・」
「・・・何?私の字でしょ?だってこれは私が・・・」
・・・あ・・・。
・・・勢いでやってしまった。
完全に頭に血が上っていたとしか言えない。
私は・・・自分で書いたラブレターを、相手につきつけていた。
「・・・っ・・・」
急いでそれを背中に隠す。
でも完全に手遅れ。
私・・・何して・・・。
「・・・ご、ごめん。俺のやつだと思って・・・」
「あ、う・・・」
お互いに顔を真っ赤にし、顔を合わせられない。
何してるの私・・・。
結局直接言うようなことを・・・。
「・・・」
「・・・」
そのまま会話は無く、互いに硬直。
・・・何か話を・・・。
あ、そうだ。
「・・・あ、えっと・・・さっきの、探利のものって・・・ど、どういう意味・・・だったの?」
一応、気になっている事を聞くことにした。
あの様子を見る限り、私の手紙を見たのは今が初めてだ。
だとしたら、「俺の物」って言った意味がわからない。
「あ、そ、それは・・・俺の勘違いってか・・・って、じゃあ俺のは・・・」
探利は慌てるように弁解しようとし、おもむろに自分のカバンをあさり出した。
そして。
「・・・あ・・・あった・・・」
「え・・・」
探利がカバンから取り出したもの。
思わず声が出てしまう。
それは・・・さっき私が破いたのと全く同じ青い封筒だった。
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