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視線が止まったのは彼の机。
「・・・あそこに忍ばせよう」
「えぇ・・・」
・・・かんちゃんは作戦を練るのが苦手なようで、いたってシンプルな方法を提案してきた。
まぁ・・・間違いなく気付いてもらえるだろうけどさ?
・・・机の中でぐちゃぐちゃになっちゃわないかだけは心配。
「うー・・・」
「ほら、唸ってないで入れてこーい」
「わわっ!」
どうしようかと唸っていると、軽いノリのかんちゃんは私の背中をどついて押し出してきた。
突然のことに驚いた私は、そのまま彼の机の直ぐ横に。
他人事だと思って・・・かんちゃんに好きな人が出来たら覚悟しといてね。
「・・・」
・・・じっと彼の机を眺める。
普段彼が使っているだけの同じ机なのに・・・何故か少し神聖なものに見えてしまう。
「・・・・・・」
チラッとかんちゃんのほうを見ると、口ぱくで「早く」と言っているのが見えた。
・・・やるしかない。相談したのは私だし。
・・・観念して、自分のカバンから手紙を取り出す。
一応周りの視線もきにしたけど、私に注目しているのはかんちゃんだけみたいだ。
「・・・・・・・・・」
そっと机を覗き込み、教科書等が入っていないことを確認する。
・・・いける。今なら。勢いで。
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