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もう一度周りの視線を確認し、青い封筒をその中に・・・。
「何やってんだ、奈津」
「ひゃっ!?・・・び、びっくりしたなぁ、もう!」
後ろから急に声をかけられ、ビクッとなり姿勢を正す。
ちょ・・・かんちゃん笑うなぁ!
。
「ははっ、なんだよその反応。おもしれー」
「さ、探理のせいじゃん!」
後ろに居た男の方をバシバシ叩くけど、まったく気にしないようにケラケラと笑っている。
この人が・・・私の好きな彼。
恋文を渡す相手。
”探利(さぐり)”なんて珍し名前をしている。
「悪い悪い。んで、俺の席で何してたの?何か用?」
「へ?あっ・・・」
不審な動きをしていたのが見られていたみたいだ。
それを指摘され、私は大変なことに気付く。
・・・私の手に、あの封筒が無かった。
チラッと床を見てもないところをみると・・・。
・・・入れちゃった?・・・机の中に・・・。
・・・あぁ、どうしよ・・・。
「・・・ん?何?イタズラ?」
「ちが・・・あ、そうそう!びっくり箱でも置こうかと思って!」
「はぁ?何でそんなことするんだよ」
とっさに思いついた嘘。
それを聞いた彼は首をかしげながらも、席に着く。
・・・ご、ごまかせた?
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