第1章

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「もしもし!洋ちゃん!?」 仕事中に電話なんて珍しい!私は嬉しくて上機嫌で電話にでたら、洋ちゃんの激しい声が聞こえた。 「ひかる!?お前、昨日俺の上司に何した?てか何してんだよ!?」 「えっ…何って…だって洋ちゃんが…」 あたしは洋ちゃんの為にしたのに、それを怒られて悲しくなった。 「とにかく、昼に謝りに来い!!俺も謝るから!」 「……わかった。」 でも洋ちゃんにそう言われたから、私は洋ちゃんのお昼休みに会社に行くことになった。 「でも私は、洋ちゃんの為に…」 「……じゃあ昼に」 最後に聞こえたのはため息混じりの洋ちゃんの声だった。 「なによ…なんで?」 私は洋ちゃんの為に、なんでもしてきたのに。 いつも綺麗でいるためにお化粧して、寝不足を隠して。 魚を釣るために虫を殺して、洋ちゃんの為に魚を殺して、鶏を殺して豚を殺して…。 洋ちゃんが困ってたから、だからメールもしたのに… なんで?なんで?なんで? 私は少し泣いて、会社に行くために支度をした。
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