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「申し訳ありませんでした。」
会社近くの喫茶店で、私は洋ちゃんの上司に頭を下げた。
「ひかるさんだっけ?アンタ、彼氏が大事なのわかるけど、ちょっとやりすぎだよな?そこんとこわかってんの?」
私が謝ってるのに、上司はグチグチと嫌味を言った。
「まったく、お前も大変だなぁ!こんな彼女で!俺こんなおかしい女だと思ってなかったよ。」
上司はヘラヘラ楽しそうに私の悪口を言った。
洋ちゃんはその横で、上司に話を合わせて頷き、私のフォローはしてくれなかった。
なんで?酷いよ洋ちゃん…。
私は洋ちゃんの為になんでもしてきたのに…
「ま、昼休みも終わるし、このくらいでいーよ、勘弁してやる。」
「あ、ありがとうございます!!」
30分ほどグチグチと嫌味を言い、ようやく上司は席を立った。
なによ…洋ちゃん。
ありがとうございますって…。
酷い…酷いよ。
立ち上がり先を歩く2人の背中を見ていたら、なんだかすごく悲しくなった。
酷いよ。洋ちゃん。
私はハンドバッグに入れていた、いつも料理に使う包丁を取りだし2人を追いかけた。
「ぎゃああぁあー!!」
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