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「ま、待て…ぐぅ!!」
気絶しそうな刑事さんを殴り、呆然とする私を、洋ちゃんは引っ張った。
「なんで…なんで洋ちゃん!!」
何日かぶりに会った洋ちゃんはヒゲも伸びててなんかだらしなくて…。
でもやっぱり洋ちゃんは愛しい私の洋ちゃんで…
「なんでって、助けに来たに決まってんだろ!」
「でも…私、おかしいよ?それでもいいの?」
私は 普通の心を無くしてしまった…。
それでも、いいの?
「俺は…ひかるが好きだから。全部俺のためだって分かってるから!」
「洋ちゃあぁん!」
「こんなことしちゃう俺だっておかしいだろ?ひかるとおんなじだよ。」
洋ちゃんが指差した先を見ると、護送車に車が突っ込んでいた。
「この先に車を停めてある。ひかる!行くぞ!!」
「うん!」
私は、大事なものをなくしている。
だけどそんな私を洋ちゃんは助けに来てくれた。一緒に逃げようと言ってくれた。
「ありがとう洋ちゃん!大好き!」
「俺も人を刺しちゃうくらい俺を好きなひかるが大好き!」
こんな私達は、きっと何かを無くしてもお互いに助け合える。
生きていける…。
end
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