第1章

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だから私は、もっと洋ちゃんの喜ぶ顔が見たい。 「洋ちゃん、明日のご飯はリクエストある?」 「そうだなぁ…豚カツが食べたいな。」 「…豚カツね?わかったわ。」 今日行った養鶏所で、養豚所も聞いておいて良かったわ。 でも豚となると鶏より大変よね? 豚はちょっと自信ないなぁ…。 私の頭が明日のソレでいっぱいの時、洋ちゃんが言った。 「上司にさぁ、俺の彼女は料理がうまいって言ったら羨ましがられてさ~!」 「え!?洋ちゃん私のこと言ったの?」 「うん、その人離婚したばっかだからさ~、ひかるが優しそうで羨ましいって!」 洋ちゃんが…私の事を会社の人に言ってくれた。 それも 自慢のように。 「ふふ…私はただ洋ちゃんに喜んでほしいだけよ。」 「でも、まだ結婚もしてないのにここまでしてくれる人なんて滅多にいないよ。」 洋ちゃんの嬉しそうな顔が、私の心を満たしていく。 「ありがとう、ひかる。」 「そんな…こっちこそだよ。」 好きになってくれて、ありがとう 洋ちゃん。
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