第4話「双子の友達-2-」

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『…もしもし、風希?』 「あっ、水音!ごめんね~今大丈夫?」 『あ、うん。大丈夫だよ』 俺は風志に背を向けてベッドの上であぐらをかいて、水音に話しかける。 風志は興味をなくしたように勉強に戻ってしまった。 「えーとさ、今何してる?」 『今?勉強してるよ。俺のクラスの数学、ちょっと遅れてるからさ』 「あ~そうなんだぁ」 『隼人のノート見やすいし、教え方も上手いから助かってる。ね、隼人』 すると水音の他に声が聞こえた。会長の声だ。 ちょっと照れたような会長の声が聞こえた瞬間、俺はにっこりスマイルのまま固まった。 「…水音、今会長と一緒にいるの?」 『え?あぁ。隼人の部屋で一緒に勉強してるけど?』 わぁーお。 「もうキスはしたんだよね!?じゃあ今夜が2人の初めての夜ーーんぐっ」 「悪いな水音、勉強の邪魔して」 興奮して叫んだ俺の口を風志が後ろから塞いで、スマホを取り上げた。 そしてそのまま俺の肩に顎を乗せ、スマホを耳に当てて水音に謝る。 俺は風志の腕の中でもがいた。 鼻もっ、鼻も塞いじゃってるよ風志…! 『あはは、大丈夫だよ。風希には急かさなくてもそのうちにねって伝えておいてよ』 『み、水音…!?』 「あー…わかった。隼人に頑張れって言っといてくれ」 水音の思わぬ発言に、きっと慌てふためいているであろう会長の姿が目に浮かぶ。 そして通話を切った風志が、やっと俺を解放した。
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