第1章

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 アクションを起こさないともう、このままのような気がする。  だって、名前知らないって、ありえないし。  お互い、どうしてどちらか名乗らなかったか。  必要ないから。  ドクッと心臓が一回気持ち悪くなるくらいの血を流した。 「だめだ」  たとえ、彼女が必要ないと思っても、俺がもうダメ。  このまま、離れるなんて、ない。  絶対、欲しい。  彼女が。  どうしょうもない、欲望。  あの、無防備な細い首。  触れたい。  他の奴なんかに渡せない。  俺が、すべて。  まちかさんに聞くという手もある。  けど、三つ年上でガッコから離れて随分、経つ。  そもそも、まちかさんへ連絡を取るのも、どこから、いったらいいのか。  細い連絡ツール使って枝葉を広げると情報が拡散しそうで怖い。
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