危険なアソビ

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 ここがそういう店だって知っていたから、べつに驚くことはなかったんだけど。  それでも、顔を上げた瞬間、正直驚いた。  大学から一番近いところに住んでいる友人宅に押しかけ、むさ苦しさ満点の男五人で飲み会と称したどんちゃん騒ぎをしている最中、 その中の一人、秀人が、パソコンでとあるサイトを見ながら、「おー」と感心したように声をあげた。  なんなんだ?と、画面を覗き込むと、そこにはお洒落なバーが映し出されている。  それのなにが「おー」なんだ、と、首を傾げると、秀人はこちらを振り返って、にやりと笑った。 「ここ、ゲイバーだってよ」 「ゲイバー?」  そういわれて、もう一度、画面に眼をやった。  その手の雰囲気を感じさせない落ち着いた店内。  インテリアにしてもその辺の安っぽいバーとは違って、とてもお洒落だ。  おもわずまじまじと見ていた自分に、秀人はおもしろそうに笑った。 「もしかして興味がお有りかな?雅通クン」 「そんなんじゃねーけど・・・・って、なんでおまえこんなの見てんだ?」  しかも他人のパソコンで。  そういうと、秀人はマウスで次の店をクリックしながら、にやりと笑った。 「ちょっと見てみたかったんだよねー。噂では結構、いいとこあるっていうし。興味あったんだけど俺ンちパソコンないしさ」 「だからって人ンちでみるか?フツー」 「いいじゃんいいじゃん。お!なあ、ここよくね?」  次に映し出されていた店は、モノトーンで統一されたカジュアルな雰囲気。  あまり凝った作りではなく、シンプルな感じ。  カウンターに並べられたありとあらゆる酒の瓶は、インテリアの一部となっていて、それがまた店の雰囲気とマッチしている。  万人受けしそうな店だ。 「おお!すげえ、デザートがうまそう」  画面を食い入るように見つめる秀人の視線の先には、この店の紹介文。  どうやらデザートのメニューがかなり豊富らしい。  ゲイバーなのに、デザートがメインってどういうことだ?  それって、偏見だろうか。  女ばっかりのお洒落なカフェには入りにくい甘党の男も多いしな。  その他にも、聞いたことのない酒の種類も多くて、なにより、カクテルの種類も充実している。 「うわあ、うまそう。俺、シフォンケーキ好きなんだよねー」 「おまえ甘党だもんな」 「そうそう。あー、食いてえなぁ」
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