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もっと、それっぽい場所かと思っていたけど、そうでもないんだな。
まあ、そういうところもあるんだろうけど。
なんだか、いたって普通って感じ。
「おまえら、さっきから人のパソコンでなにしてんだよ?」
そういいながら自分たちの間に割り込んできたのは、この部屋の主、伸広。
どうやら酒盛りに参加していない自分たちの様子が気になったらしい。
そりゃ、自分のパソコンを勝手に触りだしてるヤツがいたら、気になるよな。
伸広は缶ビールをゴクゴクと飲み、身を乗り出して、画面を見つめた。
「あーん?どこだ?これ」
「ゲイバー」
「ゲイバー?」
秀人と伸広の声に反応したらしい他の二人も、なんだなんだ、とパソコンの前に集まってくる。
おもしろそうにいろんな店をクリックする秀人と、それを物珍しそうに見つめる三人。
いったいなんだっていうんだろう。
つまみの柿ピーを食べながら、なんとなくぼんやりとその様子を見つめてみたり。
やっぱり、所詮は酔っ払い集団。
その場の勢いというのは恐ろしい。
十分後には、名づけて「ゲイバーにあそびにいこうツアー」が決行されることが決まった。
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