思わず……

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  「誰か……」   と言ってから、リカコ(17)は、口に手をやった。   すると上で――   「誰か助けて!」   つらそうな、タカシ(18)の声がした。   その手はリカコの手首を握り、落ちていかないようにしているのだ。   ここは、マルチ専門学院ビルの屋上の端だ。   タカシが体を伏せて片腕を伸ばし、落ちかけたリカコの手首を握って、助けているのだった。   なぜ、こんな事になったのかと言うと……
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