伝説の島

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あと、この女の子は誰なのだろう。 「おっ、レノア起きたか?」 リータが私が目覚めたことに気付き駆け寄った。 「あ…リータおはよう」 「おう!もうここはアバンチュール・イルだぜ!あ、こいつは俺の妹のパルチェだ!まぁ仲良くしてやれ」 リータは笑顔でそう言った。 パルチェちゃんはムスッとした顔で私を見た。 とても似てない兄妹だ。 「アバンチュール・イルを信じてるっていうからどんなにすごい子か気になってたけどこんなちんちくりんブスとはねー…期待裏切られたわ」 パルチェちゃんはため息をついてそう言った。 何かが心にグサッと突き刺さった。 ちんちくりんブスは、かなり傷つく。 「パルチェ!そんな事言わない!あまり口が悪いと誰も嫁にもらってもらえなくなるぞ?」 「あーはいはいはい」 なんだか、とても不愉快だが微笑ましい。 兄妹ってこういうものなのだろう。 そして私はあることに気づいた。 「…って、朝?!どうしよう、家に戻らな…」 そう言いかけて、ふと脳裏に 我を忘れて家を荒らし、私を殴りかかるアイユとそれを私の責任と押し付ける継母がよぎった。 「ん?どうした?」 リータはきょとんとして私の顔を覗き込んだ。…… 帰りたくないなぁ。 どうせ私がいなくなっても、あの二人はどうもしないのだろう。 現に父がいなくなってものうのうと生活しているし。 それなら… アバンチュール・イルで冒険したい。 最期くらいは夢を叶えて笑いたい。 それで笑えたら、アイユをアバンチュール・イルに連れってってあげよう。 そしたらアイユも少しは優しい心を取り戻してくれるかもしれない。 「ううん、なんでもない」 私はそう言ってリータに笑ってみせた。 少しひきつってる気がする。 「あ、もしかして帰ること考えてる?…残念ながら帰るのは難しいわよ?」 パルチェちゃんがそう言って不敵な笑みを浮かべた。 パルチェちゃんの洞察力の鋭さに少し感嘆した。 む、難しい…? 帰るのが? 色々と私の中で疑問がぐるぐると回る。 まず一番抱えている疑問をリータに投げかけた。 「今更だけどなんでリータは私を連れてきたの?」
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