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「なんで!?私、一人じゃもう歩けない筈なのに…!」
リータは手のひらを私に見せて言った。
「アバンチュール・イルの世界にいた俺と手を繋いだから、もう身体は自由に動くぞ。」
手を繋ぐと身体は自由に動く?
アバンチュールについて思いを巡らせると、確かにそうだった。
アバンチュールでは沢山の超人的な体力や能力を持っている人達がいた。
これはその応用で、自分の身体の能力を相手に分けることが出来るのか。
そういえば、アバンチュールの登場人物は皆空中でも立てるのだ。
それを考えるとリータが空から落ちてきたのも納得がいく。
外の空中で私を探していたら鳥につつかれ、私の部屋へ偶然転がり込んで来たのか。
「まぁー俺の最低限の出来ることをレノアも出来るようになったってとこかな!ただ早く走るとかそういうのは本人の体力になっちゃうけどな」
「そうなのね…」
なんとなくだがやっと納得した。
ただ、もう余命は少ない。
でもこの残された時間を、ベッドで過ごすのではなく、冒険して過ごせるのならこれ程嬉しい事は無い。
「これで、冒険できるな!レノアっ!」
リータはにひっと笑った。
「うん…!」
私はリータの手を取り、二人で窓から飛び出した。
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