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「津島~。今日部活ないから一緒に帰ろうぜ~」
「あぁ、悪い! 今日は……」
夏の日差しがガンガンと降り注ぐホームルーム後の教室で、委員長の号令が終わるなり声を掛けてきた浜野に僕は申し訳なさそうに手を合わす。
「お。そっか、弘美ちゃんとデートか?」
「デートじゃないよ」
「いいよ、照れなくても」
いいなあ。賢くて可愛い子といつも一緒にいられて。
と、浜野が口を尖らせる。
本当にデートではない。
一緒に帰って、図書館に寄って、僕が数学を教える約束だ。
あの日からずっと続いている日常は、僕にとっていまだに眩しい。
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