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開けたところで、腐敗物から元の食品を想像することはできないだろう。でも、手がかりくらいにはなる可能性もある。
腹を括って開けてみようか。そう思った時、微かに瓶が揺れた気がした。
中に何かいる! そいつが動いてる!
虫でも湧いたのか? いやでも、何年も前から密封状態なら、たとえ虫が湧いたとしても、もう生きてはいないだろう。
多分気のせいだ。そう考え、蓋に手をかけた時だった。
今度は瓶から音が聞こえた。
今度は気のせいじゃない。それを確信し、瓶を耳に寄せてみる。すると、小さくはあるがはっきりと、音が…いや、声が聞こえた。
食えよー。しまい込んでないで食えよーー。ちゃんと俺らを食えよーーー。
反射的に、近くにあったビニール袋に瓶を放り込み、ばあちゃんが見ても判らないよう、ゴミはこの奥の方に突っ込んだ。
あれから半月。訪ねたばあちゃんの家に小瓶はなかったし、小瓶のことを聞かれたりもしないので、俺の行いは正しかったのだろう。
ただ一つ、今でも疑問に思っていることがある。
じいちゃんはいったい何を食っていたんだろうな。
謎の小瓶…完
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