第2章~始まり~

8/14
前へ
/158ページ
次へ
受付の男性が去ってしばらく、ジャージをだらしなく着崩した女性が現れた 大ざっぱに纏めたポニーテール、赤く燃えるような髪 ちゃんと身なりを整えれば綺麗なのに、勿体ない 「あ~、あなた達が編入希望の親子ですか?」 「はい、よろしくお願いします」 「よろしくお願いします!」 女性は1度頭をガシガシ掻くと 「ついて来い」 そういって、ゆっくり学園に向かい歩いて行った シオン達は女性の後ろをついていく 玄関を入ると、すぐ横には1ーAと表札のかかる教室があった その後もB・C・Dと続いていた 外観は4階建てだったから、階を上がるにつれてクラスも上がっていくのだろう 「ここだ」 階段を上がることなく、端っこまで歩いてきた 「入るぞ」 そう言うなり女性は、ノックもせずに学園長室であろう部屋に入っていった 「何度言ったら分かるんですかイザベラ、ノックぐらいしなさい!」 「はいはい」 部屋の中には30代くらいの女性がもう1人居た たぶんこの女性が学園長なんだろう イザベラと呼ばれた案内役の女性は、ボリボリ頭を掻いている もう・・・、と溜め息をついた学園長は、シオン達の方を向いた 「初めまして、私が学園長のルネ・ストリウムです。編入希望でしたよね?」 「はい。私はクリア、シオンの母です」 「シオンです!」 お互いに自己紹介し、本題に入る 「まず編入に際して、筆記と実技の試験を受けてもらいます。合格しましたら、  制服の寸法チェックや、教材などの受け渡しになります」 「わかりました。頑張ってね?シオン」 「僕頑張る!」 シオンがやる気のあるポーズを見て、学園長とクリアは微笑ましそうに笑った 「それで・・・これが1番重要なんですが、本校は寮があります。もちろんご自宅から通っても構いません」 「では、もう少し大きくなってから寮に入りますわ。シオンもそれでいい?」 「うん!」 「では、本日は実技の試験をして、明日筆記をやる方向で宜しいですか?」 「はい。よろしくお願いします」 では・・・と、学園長はイザベラに目配せした
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

124人が本棚に入れています
本棚に追加