織姫と彦星【完全版】

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年に一度だけ地上に降りることを許される日がある。 それが7月7日の七夕の日だ。 七夕になると天の川を辿り、地上のお祭りに参加するのがいつもの楽しみでもあった。 そして今宵も俺たちは天の川を辿り地上に舞い降りた。 「ほら彦星!早く早く!!」 織姫は地上に到着するなり大はしゃぎだった。 「そんなに急がなくても時間はたっぷりあるって」 と言いながらも俺も楽しみではあるんだけどね。 織姫の顔をみるも見事にぷくーっとほっぺ膨らまして俺を睨みつけた。 「もー!一年に一回しかこれないんだよ!」 「それはわかってるんだけどさ、急がなくても食べ物は逃げないから」 「うん、そうだねってなんで食べ物よ!」 織姫のノリツッコミに俺は声を出して笑った。 それ見てもーっといいながら顔は笑ってる。 織姫のこういう所がいいんだよね。
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