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「アハハ、採らんで良かった、あれは採ったらダメな蝶だからね」
おじいちゃんが悔しそうな僕を笑って言った、僕はなんでだろう、と思い訊いた。
「あの蝶、毒でもあるの?」
おじいちゃんは首を横に振って応えた。
「いいや、オオルリシジミに毒は無いけど、絶滅危惧種って言ってな、もう本当に数が少なくて、この地球上から居なくなってしまうかもしれない昆虫や動物の事なんだけど、そんな蝶々を採っちゃったりすると....怒られちゃうんだよ~!」
「うわ、お、お巡りさんに連れて行かれちゃう?」
「そう言う場合も、あり得るな」
僕は怖くなった、昆虫採集する人に対する意外な罠を知った。
「ハハハ、さあ、朝ご飯食べな、お腹いっぱいにして、また虫採りに行けばいいさ」
「うん....」
意気消沈の僕を見かねて、おじいちゃんは微笑んで言った。
「よし、じいちゃんと一緒に行こう、昆虫の事いっぱい教えてあげるぞ」
「本当に、ありがとう、おじいちゃん」
おじいちゃんは、優しく頭を撫でてくれた。
僕はいつもより速いスピードで朝ご飯を食べて、おじいちゃんと行く虫採りを、楽しみにしていた。
と、思っていたのだが朝ご飯を済ませたら、お父さんが親戚の家に行くからって、外出は禁止になった、昆虫採集も、服を汚すからダメだって。
あーあ、僕はがっかりして、ちょっとつまらく思った。
その時だけちょっとふてくされて、僕はお父さんお母さんと一緒に車で出掛けた。
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