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ぬめっとして、ぬぼっとして、にょろっとして、ついでに白っぽい。人間のうわさする『疫病神』ってぇのにまだ会ったこたぁねぇが、おおかた、そんな姿をしてるにちげぇねぇ。
「大っきいの」
かりん、かりんとなる鈴の音の合間に、マヌケな声する。ふり返ってみりゃ、爺さんに首根っこをつかまれた穴子の奴がそこにいた。どうしてそうなった。
「捕まった」
見りゃわかる。
エラを抑えられて苦しいのか、やたら口を動かす穴子。でも、声は相変わらず間延びして情けない。びったぁん。びったぁん。せめてもの抵抗に、尾を爺さんの手首にぶつけてい……あ、6回であきらめやがった。
爺さんの方も穴子の抵抗を気にした様子はなく、ただにっこにこしている。
もう何を言ったものか。思案する俺っちに、穴子の奴はまた声をかけてくる。
「たすけて、大っきいの」
ホント、どうしてこうなった。
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