3章:時間ってすごい!!

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そしてまだボタンには隠された機能がある。それは生体認証の機能だ。 生体認証と言っても指紋や静脈を読み取るのではなく、ボタンを押しているのが生きたものかそうでないかを区別するだけのものだ。 単純な機能だがこれはかなり重要なものだと思う。ボタンを押さない限り門は開かず、先には進めない。 そのボタンは押し続けなければならない。その時に物で代用できないのはかなりの痛手になるに違いない。 押し続ける者が2人必要で、先に進む場合は戦力を削る必要がある。この時点でボッチには優しくないダンジョンとなっている。 ボッチに限らず侵入者には優しくするつもりない。 第4階層はこれぐらいで終わりだ。次は最後の階層。第5階層だ。 第五階層は広大な部屋の中央に柱状の台座があるだけだ。その台座の少し上空に水晶が浮いている。 水晶はボタンと同じ役割も果たすが、触れた瞬間に大量のモンスターを召喚するのが主な機能だ。 言うなれば、部屋を一瞬にしてモンスターハウスに変える。 ボタンと同じで周波数を設定できる。なので、触れ続けると和室に続く道にある壁が天井に戻るよう設定した。とうぜん生体認証機能付きだ。 それだけでなく転移魔法陣が発動するようにも設定した。転移で送るのはオメガだ。 と言うのも、水晶によって召喚されたモンスターは、召喚されたもの以外を敵とみなすようで、普通にダンジョンモンスターにも攻撃してくる。 そうなれば、オメガの『対多数優位』が効果を発揮する。それで強くなったオメガがモンスター諸共侵入者を爆殺する算段だ。 モンスターは敵対者を排除すると勝手に消えるらしく、どうせ消えるなら利用してやろうと言う訳だ。
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